KSP-2000A
  • トップ
  • Audio/電子機器
  • ラック/木工
  • ソフトウェア
  • 参考情報
  • リンク
  • よくある質問
  • お問い合わせ


テレビ連動アンプ内蔵高音質スピーカ

KSP-2000A

製作代行価格 : 部品価格等変動いたしますので、お問合せください。


 高音質アンプ内蔵のスピーカ。お使いのテレビに高さをぴったり合わせることができます。
 電源、リモコンが完全にテレビと連動しますので、テレビの一部として使うことができ、 大変便利です。
 低音から高音までナチュラルに伸びた高音質スピーカであり、CDプレーヤやiPodも直接接続可能。
デジタル放送の大迫力映画や高音質な音楽番組を存分に楽しむことができ、ご家庭のメインステレオ としても使用できます。

   
    


製作記事

設計コンセプト システム構成 スピーカ アンプ 電源回路 コントロール回路 製作 試聴

設計コンセプト

ページトップへ
 2011年7月には、地上波アナログ放送の終了を向かえ、地デジ対応の薄型テレビも かなり普及してきました。最近では3Dテレビも量産されるようになり、画像(動画)の 発展には目を見張るものがあります。
 しかし、急激に発展しているテレビの画像に対し、唯一音声だけは旧態依然としており、 せっかくのデジタル放送の高音質も全く生かされていないと思われます。サラウンド機能付きの ラックではスピーカが今ひとつで、満足のいくものとなると、本格的なAVアンプを中心とした システムを組むしか選択肢がありません。
 そこで、テレビに直接接続でき、便利で音質にも満足のいくアンプ内蔵スピーカを製作します。

  1. 音楽を聴くためのステレオとして満足のいく音質であること。
  2. テレビのON/OFFやリモコン操作に完全に連動できること。
  3. テレビだけでなくCDやMD、iPod等を接続できること。
  4. テレビとは関係なく、単独でリモコン操作ができること。
  5. デザイン的に優れ、部屋に置いた時にテレビとぴったりマッチングすること。
  6. 高価なシステムにならないこと(高価であれば本格AVアンプの方が良い)。
したがって、図1のようなシステム構成を想定して設計することとしました。

システム構成

ページトップへ
 リモコン対応、電源監視などから、CPUによるコントロール部は必須です。また、高音質の ためには、電源回路もトランスからデジタル・アナログを分離し、デジタル系の電源回路は スイッチング電源ではなく、ドロップアウト電源(3端子レギュレータ使用)とします。 とにかく、余分なノイズ源や不安定要素は極力なくします。
 入力はiPodからの入力に対応したフロントのステレオミニプラグを含めて、4系統(TV, DISC, AUX, FRONT)の 入力を持ちます。また、入力切換、ボリューム、トーンコントロールはリモコン操作ができるように、 全て電子的にコントロールできる構成とします。
 テレビの電源監視回路を設け、電源OFF時も常に電源のモニタを行います。この電源監視は、 外部(テレビ)機器の電源監視であり、自機の電源は監視しません。
 CPUを使ったデジタルコントロール部で、これらの機能、リモコン、フロントパネルの操作を 集中して制御します。
 最終的に全体のシステム構成は図2のようになりました。

スピーカ

ページトップへ
 スピーカは、アンプ部と独立させ、スピーカ単体として高音質なものに設計します。 映画の大迫力を表現できるようにするため、フルレンジ一発ではなく、ウーファーと ツイータの2Wayバスレフタイプとします。

スピーカユニット

 ウーファーは13cm以下、低価格・防磁タイプで質の良いものとなります。候補としては、 RIT SELECT の RE-KV12PF、UsherAudioのKSW2-5029E、TangBandのW5-1374SB、Hi-ViのF5等が あります。過去使用した限りにおいては、KSW2-5029E は非常に低音のパンチ力があり、塊のように 音が飛び出してきますし、RE-KV12PFは無理に低域を伸ばしすぎず、非常にバランスの良い 音がしていました。しかしいずれのユニットも現在は国内では販売が終了しているようです。 そこで、今回は、特性を見る限り癖のないナチュラルな音がするのではないかと予想して、 Hi-ViのF5を使用します。
 ツイータは、Hi-ViのSS1-IIを使用します。Hi-Vi F5と組み合わせてナチュラルなサウンドを 実現するのにぴったりのユニットです。

エンクロージャとネットワーク

 エンクロージャはオーソドックスなバスレフタイプです。最近は大画面・薄型ですので、高さが 確保でき、エンクロージャの容量として10L以上の十分なものが確保できますので、バスレフタイプ として十分に低域を補強できます。バスレフダクトは、ポート開口半径1.9cm、ポート長9cmとし、 約40Hzまで低域に伸びた周波数特性となります。
 ネットワークは2.5kHzクロスオーバ、ウーファー・ツイータとも-12dB/oct とし、ウーファー側は インピーダンス補正回路、ツイータ側には-6dBのアッテネータを追加しました。自作派は音が良い ということで、-6dB/octのネットワークを組むことが多いようですが、今回のネットワークでも 非常にクォリティの高い音質が得られています。
 ネットワーク部品はメーカ等の指定はありませんが、オーディオ用のものを使います。コイルは 空芯でもコア入りでもかまいません。コンデンサはオーディオ用のフィルムコンデンサーを使います。 抵抗はオーディオ用の酸化金属皮膜抵抗の方がいいですが、セメント抵抗でも問題ありません。

スピーカ部のみでの試聴

 今回は、高音質を狙っているので、スピーカ単体として質の高いものが要求されるため、 スピーカ部のみで試聴しました。低域から高域まで伸びた非常に高い音質になっています。 ポップス、ジャズ、クラシックと聴いてみましたが、どれも非常にナチュラルなサウンドであり、 映画の迫力もきっちり再現できました。
 強いてあげれば若干ハイ上がりの音質ですが、エージングを行って落ち着けばさらに ナチュラルでやわらかい音質になり、狙い通りのクォリティになりました。好みによって 1〜2dBほど高音を絞ってもいいのですが、アンプ部にトーンコントロールを設けることもあり、 今回はこのままで進めます。










アンプ

ページトップへ
設計コンセプトからアンプの基本機能は以下のようになります。

  1. 一般的にみて高音質であること。
  2. 入力は4系統そなえ、そのうち1系統はフロントから入力できること。
  3. テレビ番組に合わせて音質調整ができるようにトーンコントロールを備えること。
  4. ヘッドホンアンプを独立させ、スピーカ・ヘッドホン両方の同時出力ができること。
  5. ボリュームや入力切換はリモコンで操作できること。
  6. Mute機能を持つこと。
以下、入力バッファ、パワーアンプ、ヘッドホンアンプの順に説明します。

入力バッファ

 入力段は、4系統の入力切換、トーンコントロール、ボリュームコントロールの機能を持ちます。 リモコンから操作可能ということになると、電子ボリュームしかありません。モータドライブの ボリュームも考えられますが、ハードウェアが非常に複雑になってしまい、現実的ではありません。
 低歪率、トーンコントロール内蔵、解像度の高いボリューム設定ができるICとして、新日本無線の NJW1194があります。NJW1194は、4系統の入力セレクタも持っており、今回のアンプには最適なもの です。このICを中心に入力バッファを設計します。
 入力は直結でもかまわないはずですが、念のため、オーディオ用として使えるフィルムコンデンサを 入れます。トーンコントロールについてはバス100Hz、トレブル10KHzで±10dBの範囲で調整できます。 ボリュームは256段階リニア調整ができますが、ソフトウェアでBカーブ特性を持たせます。 入力バッファ回路を図4に示します。  

パワーアンプ

 アンプはパワーアンプとヘッドホンアンプをそれぞれ独立して搭載します。複雑にならず、 微妙な調整も必要なく高音質を狙うということで、今回はパワーアンプICを使用することに しました。高音質パワーアンプICというとLM3886が有名ですが、その下位機種のLM1875を 使用します。15W〜20W程度という手ごろな出力で高音質です。
 出力ミュート回路は、出力リレーをソフトウェアからコントロールして電源ON/OFF時の ミュート機能を実現します。リレーはパワー用のメカニカルリレーを使用します。オーディオ 的にはあまりよくないと言われることもありますが、接点は非常に信頼性の高いものを使用しており、 パワー信号であれば、リレーの磁気回路の影響もほとんどありませんので、 無理してオーディオ用の高価なリレーを使用する必要はありません。それ以外はほぼデータシートに 記載されている回路と同じです。



ヘッドホンアンプ

 ヘッドホンアンプはテキサスインスツルメンツ社のICTPA6120を使用します。このICは、 ヘッドホンアンプ用として開発されたもので、非常に低歪率です。電源電圧も±5V〜±15Vの 範囲で使用でき、電子ボリュームNJW1194と同じ電源で動作します。











電源回路

ページトップへ
 電源回路は、デジタル系の電源、パワーアンプ電源、入力バッファおよびヘッドホンアンプ電源の 3系統の電源から構成されます。

デジタル系の電源

 デジタル回路の電源はAC/DCコンバータを使用するのが一般的ですが、今回はアンプのコントロール 回路であり、消費電力も少なく、スイッチング電源の余分な雑音を発生させないためにも、 3端子レギュレータを使用した5Vシリーズ電源とします。一般的な3端子レギュレータの電源回路です。 トランスはデジタル系専用トランスを使用し、余分な雑音がアンプ電源に混入しないように配慮します。


パワーアンプ電源

 パワーアンプ電源は、整流〜コンデンサ平滑回路で構成された±20V電源です。 整流用ダイオードは一般の整流用ダイオードよりもショットキバリアタイプがいいのですが、 高価なので整流用ファーストリカバリダイオードを使用します。平滑コンデンサは 10,000uF、100uF、0.1uFを並列に接続し、大出力時でも安定した電源を供給できるように します。特に10,000uFの大容量コンデンサですが、オーディオ用の高価なものではなく、 一般的なブロックコンデンサを使用しています。大容量コンデンサは大きなリップルを除去するために 使用するので、それほど良い特性を要求しません。細かなリップルを除去するための100uFは オーディオ用の特性の良いものを使用します。0.1uFは雑音やノイズを除去するために使用するので、 フィルムコンデンサかセラミックコンデンサを使用します。コンデンサはオーディオ用となるのと 非常に高価ですので、適材適所で使用し、高音質と低価格を両立させます。
 電源トランスは±14V出力を使用し、±20Vの供給電圧とします。この電圧であれば、LM1875の発熱が 押さえられ、リアの放熱器が熱くなることはほとんどありません。この状態で10〜15W程度のアンプ出力が 可能で、一般の家庭には十分すぎるほどの大音量を出すことができます。どうしてもアンプの出力を 上げたい場合はトランスの電圧出力を18V程度に上げるとアンプ供給電源が25V程度となります。 約20W程度まで出力を上げることができますが、放熱器がかなり熱くなります。

バッファ・ヘッドフォンアンプ電源

 入力バッファ、ヘッドフォンアンプ用の電源は、アンプの±20Vから3端子レギュレータで ±7Vまでドロップさせます。10V以上ドロップさせるので、放熱器は必須です。アンプが±20Vの 電源であれば、LM1875はほとんど発熱しないので、アンプ用の放熱器と共用してもかまいません。
 この電源は、±7Vの精度を確保し、入力バッファ、ヘッドフォンアンプのグランド(中点)の 精度を高め、トランジスタのプッシュプルの動作を正確に行う方が音質が良くなると判断し、 5Vのノーマルタイプの3端子レギュレータを使用し、10回転の精密半固定抵抗で電源電圧を 正確に±7.00Vに調整します(電圧の絶対値ではなく、プラス側とマイナス側の電圧が同じに なることが重要です)。なお、この電源のレギュレータは低ドロップアウトタイプは ラッチアップする可能性があるため使用できません。

コントロール回路

ページトップへ

CPU回路

 コントロール回路は、CPU回路、フロントパネル回路、電源監視回路から構成されます。 CPUはルネサスのtiny R8シリーズのR5F21256を使用します。32kByteのプログラム用フラッシュメモリと 独立して2kByteのデータフラッシュを内蔵しており、電源OFF時の状態を記憶できます。 パッケージはQFPですが、0.65mmピッチの52ピンと少なく、この手のCPUとしては扱いやすく なっています。
 CPU回路は極めて単純で、今回使用するCPU:R5F21256 を中心として、リセット回路、 クロック発信回路、リレー駆動回路、リアルタイムクロック回路だけです。 リセット回路はルネサスのリセット用ICM51957を使用します。リレー駆動回路は CPUから直接コントロールできるNECのFETアレイuPA2753を使用します。リレーの逆起電力含めて 十分な耐圧、電流特性を持っています。リアルタイムクロックはエプソントヨコムのRTC-4543Aを 使用します。トリミングされた振動子を内蔵しており、電源を供給するだけで時計動作が可能です。 フロントパネルとは20芯の平行ビニルコードで接続します。


フロントパネル回路

 フロントパネルは、電源スイッチ、入力切換スイッチ、ロータリエンコーダ、LCD、LED、 リモコン受信デバイスから構成されます。LCDはコントラスト、バックライトともCPU基板から 調整できるように接続します。バックライトはCPUからPWMドライブし、ソフトウェアから 明るさを調整できるようにします。また、LCDバス接続を利用して各スイッチの状態を 読み込む形式とします。スイッチは電源スイッチと入力切換・モード設定兼用の タクトスイッチ4個です。LEDは、Power表示のみ常時点灯、その他のLEDは電源ON時のみ 点灯させ、ブラックアウトを実現します。リモコン受信デバイスはPARA LIGHT社のPL-IRM2161を 使用します。






電源監視回路

 電源監視回路は、市販のトランスを改造した電流センサと、センサ信号を電圧に変換する 回路から構成されます。
 電流センサは、中遠電子工業のDF12H-28の一次側をほどき、そこに10Aのケーブルを2周巻きつけた ものです。電流センサ用トランスの2次側出力をオペアンプLMV358の差動入力に接続し、PWM動作させます。 1次側の電流が増加すると、振幅が大きくなるため、その分LMV358のON時間が長くなります。 これをピークホールドさせて一定電圧に変換し、オペアンプで安定させて電源監視回路の出力とします。 CPUボードでこの出力をAD変換することにより、電流値を計測できます。

製作

ページトップへ
 これで設計は完了しましたので、いよいよ製作に入ります。まずはスピーカ本体、ネットワークを 製作し、スピーカ単体として試聴し、満足のいく音質であることを確認します。
 次に基板、電源・コントロール部のシャシー、アンプ部のシャシーの順に製作していきます。 最後にソフトウェアを作成・ダウンロードして動作確認を行い、全体を組み込みます。

スピーカ本体の製作

 エンクロージャは普通のスピーカ製作と同じです。ただ、アンプを組み込むために背面に 開口部を設けるので、その分複雑になります。前面はツイータ、ウーファー、バスレフポートの 穴、最下部にはアンプコントロールフロントパネルを装着します。
 幅・奥行きとも20cmで高さはテレビに合わせます。パナソニックの46V型のプラズマテレビTH-P46G1に 合わせると、高さが76.5cmとなり、図12のようになります。かなりのトールボーイ型となります。 エンクロージャーの内容積は7L程度確保したいので、最低の高さは35cm程度となり、19V型以上の 薄型テレビの高さに合わせることができます。
 エンクロージャは、18mm厚のパイン集成材を使用し、構造はの構造は図12のようにかなり複雑です。 20mmのパイン集製材を使用してもよく、その場合は内部の寸法を変更してください。特にリアの アンプ実装部分は放熱器ができるだけ後ろに出っ張らないようにくぼんだ形にします。 また、補強材は左右非対称かつ不等間隔に配置し、共振点を分散して箱鳴りを防ぎます。多くの 補強材を使用するので、非常に強度の高いエンクロージャになります。
 板取は図13を参照してください。1810mm x 450mm のパイン集成材2枚で2本分の板取りが可能です。 細かいパーツもありますので、DIY店でカットしてもらうのが安全かと思います。ただし、あまり細かな 板はカットしてもらえない場合もありますので、その時は自分で切ります。スピーカ、バスレフポートの 穴あけは、ドリルと自在錐を使用するときれいな穴が開きます。
 スピーカの取り付けについては、ツイータは木ネジを使用します。ウーファーはM3のつめ付ナットを 使用し、バッフル板にがっちり取り付けます。つめ付ナットで締め上げると結構効果があり、 がっちりと腰の座った低域になります。
内部構造 つめ付ナット ネットワーク



基板の製作

 次に基板の製作です。基板そのものの製作は自作派に有名なブルガリアのOLIMEXに 注文しました。ここの基板は何回か利用していますが、特に問題ないレベルです。 基板ができあがったら部品実装です。CPU、その他表面実装IC、表面実装の抵抗、コンデンサ リード部品とつけていくのが実装しやすいと思います。リード部品は背の低いものから 高いものといった順につけていきましょう。

シャシーの製作・組込み

 シャシーは下部のコントロール・電源部と上部(スピーカエンクロージャー内)のアンプ部 の2つあります。
 コントロール部のシャシーは図14のように1.5mm厚アルミ板を切り取り、折り曲げて シャシーとします。フロントパネル基板とCPU基板は、シャシーフロントパネルの前後に装着します。 フロントパネル基板とCPU基板は20芯の平行ビニールコードで接続します。
 リアパネルには、ACインレット/アウトレット、入力用のRCAピンジャック、マスター電源スイッチを 取り付けます。シャシー内部の中心にはアナログ用、デジタル用のトランスをつけます。 トランスの配置は、磁路がつながらないように向きに注意して取り付けます。 さらに、100V電源用のリレー・ヒューズ基板、TV電源監視基板を組み込んで、電源系を 配線します。
[図14]シャシー板取り シャシーへの組み込み

 アンプ部のシャシーは図15のように羽を広げたような少し特殊な形になります。 この羽の部分を折り曲げて、図16のように後面のアンプ取り付け板に装着します。 最終的に、この羽の部分にパワーアンプIC(LM1875)の放熱フィンを取り付けて、 熱を外に逃がします。
[図15]アンプシャシー板取り [図16]アンプシャシー取り付け アンプの組み込み


 全ての部品を組み込むと、フロントパネル、リアパネルとも下図のようになります。
フロントパネル(電源ON) リアパネル

ソフトウェア

ページトップへ
 CPU(R5F21256)用のCプログラムを作成しました。コンパイル環境はルネサスの HEWを使用しています。正式ライセンスを購入しなければ、プログラムサイズが 64KByteまでと制限されてしまいますが、R5F21256のROMサイズは32kByteなので 特に制限なく使用できます。
 ソフトウェアの機能は以下のようなものになります。

スケジューリング、電源監視機能mainFunc.c
CPU内蔵モジュール制御 module.c
LCD表示関数display.c
コマンド設定setcmd.c
入出力制御、データフラッシュ制御io.c
電子ボリューム制御njw1194.c
LCDアクセス関数lcd.c
リモコン制御rcm.c
リアルタイムクロック制御rtc.c
リモコンコードxcode.c, xcodeB.c
これらの機能を満たすようにソフトウェアを作成し、tiny R8C 用のフラッシュROMライティング ソフトを使用してシリアル経由でCPUに書き込みます。
なお、電源をON/OFFするたびにデータフラッシュに電源OFF直前の状態を記憶しますが、 追記型のフラッシュ書込みをすることによって、100万回以上書き込めますので、 最低でも50年以上は問題ないと思われます。
 ソフトウェアを書き込んだら完成です。いよいよ動作チェック、試聴です。

試聴・動作確認

ページトップへ

音質チェック

 スピーカ単体では非常に高い音質であることはすでに確認済みです。CDプレーヤ等で アンプの音をチェックします。

  •     リアのDISK端子にCDプレーヤを接続する。
  •     後ろのマスター電源スイッチをONにする。一旦システムの電源が入りますが、すぐに切れます。
  •     フロントの電源スイッチをONにする。
  •     TV選択のままでは電源が切れてしまうので、SELボタンを押してDISCを選択する。
  •     CDを再生し、ボリュームを上げていきます。

CDの音を楽しみましょう。ポップス・ロックからクラシックまでナチュラルな音質で楽しむ ことができます。サブウーファーがなくても十分いい音です。さらに、ヘッドホン専用アンプを 装備しているため、ヘッドホンも非常にいい音質で楽しむことができます。さらに、スピーカと ヘッドホンを同時に使用することもできます。

システム接続

 システムは図16、図17(図1参考)のように接続します。テレビの電源コードを本機の ACアウトレットにつなぐことによって、テレビの電源を監視します。 テレビの電源が入れば本機の電源が入るようになります。DISC、AUXにはCDやMD等の オーディオプレーヤを接続できます。
 ミニジャックFRONTにはiPod等の携帯プレーヤを接続できます。またミニジャックPHONEには ヘッドホンを接続できます。
[図16]リア接続 [図17]フロント接続
 テレビとの接続は、テレビのライン出力を接続する場合とイヤホン端子から接続する場合の 2種類あります。
  • テレビのライン出力を接続
    テレビの後ろや横にあるライン出力(RCAピンジャックの場合が多いです)を接続します。 この場合、テレビの音は必要ありませんので、イヤホンジャックにダミーのプラグを 差し込んで、テレビの音を消します。
    また、テレビの音量調整は関係なくなるので、本機のサブリモコンをテレビと同じものに 設定します。
  • テレビのイヤホン出力を接続
    ステレオミニジャック−RCAピンジャックケーブルを使用して、テレビのイヤホン端子 (ヘッドホン端子)を接続します。テレビの音量調整がそのまま使えるので、本機の サブリモコン設定をOFFします。

    使い方

    電源

     リアのマスター電源スイッチは全ての電源を切ります。長期間家を開ける時等 待機電源まで含めて止める時に切ってください。マスター電源スイッチをONすると、 一旦システム電源がONになった後でOFF(待機状態)となります。なお、電源ON状態から いきなりマスター電源スイッチを切ってしまうと、その時の状態が保存されませんので ご注意ください。
     フロントの電源スイッチは通常使用する電源スイッチです。押してON、再度押して OFF(待機状態)です。このスイッチでOFFした時は直前の状態が保存されます。

    自動電源管理

     テレビの電源コンセントを本機に接続すると、電源状態を監視し、自動的に 本機の電源をON/OFFできます。自動電源のは以下のように動きます。
    1. 電源OFF状態でテレビの電源がONすると、自動的に本機の電源が入り、入力はTV選択状態になります。
    2. 電源ON状態かつTV選択状態でテレビの電源をOFFすると、自動で本機の電源が切れます。
    3. 電源ON状態でTV以外の入力を選択すると、テレビの電源状態に関係なく本機はON状態を継続します。
    4. テレビの電源がOFF状態で、本機の電源がONの時、TV以外の選択からTV入力選択にすると、約30秒 〜1分で本機の電源が自動的にOFFします。

    設定

    1. 入力切換
      フロントパネルのSELボタンを押すとTV→DISC→AUX→FRONTと入力を 切り替えることができます。TV選択時は自動電源管理が動作します。

    2. トーンコントロール・バランスコントロール
      TONEボタンを押すと、トーントレブル→トーンバス→バランスの順に設定できます。 各設定は右側のボリュームつまみを利用して調整します。なお、TONE以外のボタンを 押すと調整状態から抜けます。

    3. プリセットトーン選択
      プリセットトーンは、Flat→Music→Movie→News→OFFの5種類準備されています。 プリセットトーンの各設定値は以下のように設定されています。
      プリセット High Low
      Flat 0dB 0dB
      Music -2dB 0dB
      Movie 0dB+2dB
      News -2dB-2dB
      OFF OFF OFF

    4. ミュート
      MUTEボタンを押すと、消音状態(アンプ、ヘッドホンとも消音状態)になります。

    5. アンプON/OFF
      MUTEボタンを長押しすると、アンプのみON/OFFできます。ヘッドホンは動作状態ですので、 ヘッドホンだけで使用する場合に使ってください。

    6. モード設定 システムの各動作状態を設定できます。
      1. ボリュームタイプ設定
        ボリューム設定の刻みを64ポイント、100ポイント、256ポイントのなかから設定できます。 お使いのテレビに合わせて設定すると便利です。
      2. 電源監視感度設定
        電源監視の感度を設定します。テレビの電源を入れてから2〜3分ほどたってからこのモード にします。テレビのON状態の値より2ポイントほど低い値に設定します。
      3. メインリモコンタイプの設定
        本機の操作を行うメインリモコンの機種を設定します。市販のメジャーなメーカーを 選択できるので、一般的に販売されているリモコンを使用することができます。
      4. サブリモコンタイプの設定
        ボリュームのみ操作できるリモコンタイプを設定します。テレビと同一のリモコンタイプ にします。
      5. 時計設定
        時計を内蔵していますので、その年月日、時分秒を設定します。

    リモコン操作

     市販のリモコンを利用することができます。ELPAのRC-29DやRC-24D等は動作確認済みです。 リモコンボタンと本機の動作は以下のような対応になっています。

    ボタン本機の機能
    電源電源ON/OFF
    画面トーン切換
    入力切換入力切換
    チャンネル1TV入力選択
    チャンネル2DISC入力選択
    チャンネル3AUX入力選択
    チャンネル4FRONT入力選択
    チャンネル10トーン トレブル選択
    チャンネル11トーン バス選択
    チャンネル12バランス選択
    チャンネルUPトーン・バランス調整
    チャンネルDOWNトーン・バランス調整
    音量大音量UP
    音量小音量DOWN
    3桁入力アンプON/OFF
    放送切換リモコンチェック
    消音ミュート

    さいごに

    ページトップへ
     これで完成です。一度使い始めたらもう元のテレビの音には戻れなくなるでしょう。 最近よく売っているオーディオ機能付きのラックとは一線を画す音質です。 音楽番組、映画、ドラマ、ニュース、ゲームどれをとってもリアリティのある音になります。 大きさもテレビの高さにぴったり合わせることができますので、違和感が全くありません。 CD等のオーディオ機器も接続できますから、本機があればステレオはもう必要ありません。 ハイビジョン高画質と本機の高音質で本物の世界をお楽しみください。




    • トップ
    • Audio/電子機器
    • ラック/木工
    • ソフトウェア
    • 参考情報
    • リンク
    • よくある質問
    • お問い合わせ

    copyright 2011 tsukuru-com.jp